小児科

下記にご紹介するもの以外にもお子さまには様々な疾患があります。
ご心配やご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。

入院や外科的な処置が必要な場合は総合病院へ紹介させていただきます。

小児科学会のホームページにも紹介があります。

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

発熱

子どもでは37.5℃以上を発熱とします。発熱の原因として多い病気は感染症ですが、感染症は大きく「ウイルス感染」と「細菌感染」に分けられ、お子様の場合ほとんどがウイルス感染です。ウイルスといっても多くの種類があり、季節によっても流行が違います。また感染症では発熱以外の症状が重要になります。咳や鼻汁、のどの痛み、吐き気、下痢、頭痛など、他に出てくる症状で何がどこに感染しているのかを考えます。もう一つ大事な要素として体温の1日の変動があります。感染症では体温が午前中は下がっているのに午後にかけて上がってくることが多いです。しかし、発熱を繰り返す、高熱が続く場合は感染症以外の原因を考えることも必要であり、熱型表をつけておくと診断の手がかりになります。熱を下げるにはクーリングという方法と解熱剤を使用する方法があります。クーリングは首やわきの下をアイスノンなどで冷却することで体温が下がります。直接冷やすと冷たいのでタオルで包んで使用します。解熱剤については本人が元気であれば特に使用する必要はありませんが、熱でぐったりしている場合は使用すると楽になることが多いです。お風呂については本人が元気であれば入っても問題ありません。体を清潔に保つ事も重要です。

発熱

咳には色々な種類があります。「ゴロゴロと痰が絡んでいる咳」、「乾いた咳」、「オットセイが鳴いている様なケンケンとした咳」などです。また咳が多い時間帯も原因の病気によって異なります。「明け方や寝入りばなに多い咳」、「運動している最中に多い咳」、「寝ている時は出ない咳」などです。咳の性状や多い時間帯は原因の病気を考える上でとても重要で、原因の病気に合った治療を行うことで改善につながります。風邪をひいた後に長引く咳では、副鼻腔炎(蓄膿症)や感染後咳嗽、気管支ぜんそくなどを考えます。咳の経過や診察所見、薬への反応性を見ながらどの病気が原因にあるかを考えていきます。咳止めについては、咳をする力が弱い新生児や早期乳児に使用すると呼吸が抑制される可能性があるため使用を控えます。風邪をひいて、痰などの分泌物が多くなった場合、痰をしっかり出さないと気管が痰で詰まってしまい、さらに苦しくなったり、肺炎を合併してしまったりすることがあります。そのため加湿や、痰を出させる薬などを使用して排痰を促します。

鼻汁・鼻づまり

子どもは鼻水を出すことが多いです。原因は風邪のことが多く、集団生活が始まると鼻水が増えます。他にも何かのアレルギーが原因のこともあり、最近は花粉症が低年齢化しています。鼻水が多い状態が続いたり、すすったりしてしまうと中耳炎、副鼻腔炎が合併することがあるため、鼻をかめないお子さんの場合は吸引器などで吸ってあげると良いです。鼻からでている鼻水を絡めとる方法もありますので、ご相談ください。アレルギーが疑われる場合は何のアレルギーかの検査を行います。原因のアレルギーが分かれば、環境整備を行う必要があります。原因としてはダニ、花粉、動物のフケなどありますがそれぞれ対応が異なり、環境整備を行った上で、薬を使用し症状を和らげます。扁桃肥大やアデノイド肥大のため、口呼吸になり、歯並びが悪くなったりすることがありますが、アレルギー性鼻炎も重症度が高い場合は同様の症状が出てきてしまうことがあります。
鼻づまりが強く、いつも口を開けているなどあれば、一度ご相談ください。

嘔吐

嘔吐や吐き気がある場合は、どの年代でも多くは感染性胃腸炎です。感染性胃腸炎では嘔吐と同時に下痢が出る時もありますが、下痢が出ないこともあります。嘔吐が続く場合は必ず脱水の程度を評価する必要があります。口の中が乾いている、おしっこが少ないなどの症状は脱水が進んでいる可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。嘔吐の原因を感染性胃腸炎と診断した場合は吐き気止めと経口補水療法を行います。経口補水では塩分・糖分が適量含まれている水分を少量ずつ摂取するようにしてください。お茶や真水は体の中の塩分や糖分のバランスが崩れてしまうため、脱水が考えられる場合はなるべく使用しないようにしてください。ご飯については本人が欲しがれば食べて大丈夫ですが、揚げ物やジャンクフードは避けましょう。
うどんやお粥などの炭水化物がおすすめです。

下痢

下痢が続く場合、感染性胃腸炎の可能性が高いです。感染性胃腸炎の場合、下痢止めは逆に症状のある期間を長くする可能性があるため、子供も大人も使用しません。また乳児では腸内細菌叢がしっかりしていないこと、乳の摂取量が多いことより、一旦お腹の調子が悪くなると長期間下痢が続く事があります。最近、小児でも炎症性腸疾患の患者さんも増えてきています。
血便や、下痢が長期間続く場合は検査が必要になりますのでご相談ください。

下痢

湿疹

湿疹は、皮膚の炎症を引き起こす病気で、特に赤ちゃんや子供に多く見られます。乾燥、アレルギー、感染などが原因で発症することがあり、湿疹はかゆみを伴い、皮膚が赤くなり、かさぶたができることもあります。顔や手足に現れやすいですが、体全体に広がることもあります。治療法としては、保湿が非常に重要です。乾燥を防ぐために、適切な保湿剤を使用しましょう。また、ステロイド外用薬や抗アレルギー薬を処方することもありますが、使用方法に注意が必要です。症状がひどくならないように、生活環境の改善や食事の見直しも有効です。詳しくはご相談ください。

擦り傷

擦り傷は、皮膚が摩擦や衝撃を受けて引き起こされる傷です。転倒やスポーツなどでよく見られ、通常は皮膚の表面にのみダメージを与えます。血が出ることがありますが、深い傷ではなく、比較的軽度なものが多いです。擦り傷の治療は、まず傷口を清潔に保ち、消毒を行います。次に、適切な軟膏を塗り、ガーゼで覆って保護します。傷が乾燥しないようにすることが治療のポイントです。過度に触れたり、引っ掻いたりしないよう注意しましょう。傷が治る過程でかさぶたができることがありますが、これを無理に剥がさないことが重要です。

虫刺され

虫刺されは、蚊やダニ、蜂などに刺されることで発生します。刺された場所が赤く腫れ、かゆみや痛みを伴います。多くの場合、軽度の反応で治りますが、アレルギー反応が強く現れることもあります。虫刺されの治療法としては、まずはかゆみを抑えるために抗ヒスタミン剤やステロイド軟膏を使用します。刺された部位を冷やすことも効果的です。また、刺された後に感染を防ぐために、傷口を清潔に保つことが重要です。アレルギー反応がひどい場合は、早めにご相談ください。

虫刺され

水いぼ

水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスが原因で発生する良性の皮膚の感染症です。小さなぷつぷつとした膨らみが皮膚に現れ、通常は痛みやかゆみを伴いませんが、見た目が気になることがあります。治療方法として、かつては感染を広げないために水いぼを取り除いていましたが傷が残る事があり、少し時間はかかりますが、近年では自然な経過を見る事が多いです。予防としては、水いぼが破れている場合は接触しないように注意することも大切です。

やけど

やけどは、熱い物に触れることで皮膚に傷を負う状態です。軽いやけどでは、赤く腫れたり、痛みを感じたりしますが、ひどい場合には水ぶくれができたり、皮膚が剥けることがあります。やけどの原因としては、火傷、熱湯、日焼けなどがあります。治療方法としては、まずやけどの部位を冷たい水で冷やすことが大切です。その後、軟膏などを使用して傷口を保護します。水ぶくれができた場合は、そのまま破れないように保護し、感染を防ぎます。重度のやけどの場合は、すぐに病院で治療を受けることが必要です。
また、予防のために火や熱湯に近づかないよう、子供に注意を促すことが重要です。

熱性けいれん

熱性けいれんは、発熱時に小児に見られる一過性のけいれんです。通常、6ヶ月から5歳くらいの年齢で発症し、風邪などの発熱を伴う感染症の時に引き起こされます。発熱が急激に上昇すると、脳の一時的な異常な電気的活動が原因でけいれんが起こるとされています。熱性けいれん自体は、通常、数分以内(3-5分)で収束します。けいれんが起きた際は、まずは頭と気道(空気の通り道)を保護することが重要です。けいれんが長時間続く場合や、発作後に異常(いつもと違う状態)が見られる場合には、救急要請し、医師による診察と治療が必要です。発熱を予防するための解熱薬や、けいれんが続く場合にはけいれん止め(予防)の薬を処方することがあります。

熱性けいれん

川崎病

小児の重症疾患の1つに川崎病という病気があります。川崎病は、小さな血管に炎症を引き起こす病気で、主に5歳以下の小児に見られます。主な症状は以下の6つの症状があります。

①高熱 ②皮膚の発疹(BCG痕の赤みも含む) ③手足の腫れ ④目の充血 ⑤口内の赤み ⑥くびのリンパ節の腫れ

放置すると心臓の冠動脈に影響を与えることがあるため、早期の診断と治療が重要です。川崎病の治療法は、免疫グロブリン(IVIG)療法を中心に治療が行われます。IVIGは、炎症を抑えるために使われ、適切な時期に投与することが回復に重要です。
加えて、アスピリンなどの抗炎症薬を使用し、心臓に影響がないか定期的に検査を行います。治療を行うには入院が必要であり、近隣の総合病院へご紹介させていただきます。。

便秘症

便秘症は、小児においてよく見られる消化器の問題の1つで、硬い便が出にくくなる状態です。原因としては不規則な食事内容や
水分摂取不足、運動不足、心理的な要因などが挙げられます。治療には、食物繊維が豊富な食事や十分な水分補給が基本です。
また浣腸で排便を誘発させます。便秘が長期間続く場合には、便を柔らかくする薬を使用することがあります。予防として、生活
習慣の見直しや、便意を我慢しない習慣をつけることが大切です。

夜尿症

夜尿症は、夜間に寝ている間に意図せず尿を排出してしまう状態です。通常、5歳を過ぎても夜尿が続く場合を夜尿症と呼び、
成長や発育に問題がない限り、遺伝的要因や精神的なストレスが関与することもあります。治療には、生活習慣の改善が最も
基本です。寝る前の水分摂取の制限や、排尿時間を規則的にすることが有効です。それでも効果がない場合は、薬物療法が必要
となることもあります。

臍ヘルニア

臍ヘルニアは、お腹の中の内臓が臍(おへそ)部分に突出してしまう病気で、出生時に見られることが多い疾患です。乳児の場合、泣いたときに臍の部分がふくらむことで発見されることが多いです。臍ヘルニアは、特別な治療を必要とせず、数ヶ月以内に自然に閉じることが多いですが、当院では早期にパッチ療法を行い、自然治癒を早めます。しかし、ヘルニアが大きくなったり、痛みや腸の締め付けを引き起こしたりする場合は、手術が検討されることがあるのでしっかりした経過観察が必要です。